乾燥

f:id:dream3631:20151114080742j:plain目も口も肌も心もカサカサ…。医師が教える「乾燥」とその対策


1年の中でも過ごしやすい季節が秋。夏のうだるような暑さを乗り越えてやってくるすばらしい時期です。しかし秋から冬にかけて始まるのが乾燥。お肌もカサカサしがちで、女性には念入りな対策が求められる時期でもあります。しかし、お肌以外にも乾燥は体に悪影響を与えています。喉や目、口など、粘膜が覆う部分も乾燥は大敵。喉がイガイガしたり、ドライアイになったりすることもあります。そんな不快感と戦うため、今回はそもそもの乾燥の原因や乾燥対策について、医師の山田先生に聞いてみました。主に皮膚と喉の乾燥についてお話しいただきました。

■ 乾燥するのは肌だけじゃない!さまざまな症状とは

◎ 乾燥によって現れる症状

乾燥による悪影響があるのは肌だけではありません。口、喉、目なども乾燥してくるのです。山田先生によると、乾燥によって以下のような症状が現れるそうです。

・目:ドライアイ 
・口:ドライマウス(口渇感)、口臭 
・喉:喉のイガイガ、咳、痰 
・肌:カサつき、ひび割れ、あかぎれ

ちなみにドライアイやドライマウスは女性に多いそうです。ドライマウスとドライアイは連動しており、目や口以外にも鼻、皮膚、膣、関節など、全身のさまざまな箇所が乾くシェーングレン症候群という病気もあります。

■ 皮膚の乾燥の原因

どんどん涼しくなってくるとともに心配になる乾燥。急に肌がカサカサ、粉ふきいも状態になってしまうという人もいますよね。しかし、乾燥の原因となるのは季節的なものだけではないようです。山田先生いわく、皮膚には大きく5つの乾燥原因があるとのこと。

・湿度 
・日焼け 
・お風呂 
・加齢 
・病気

お風呂が乾燥の原因になっているのはちょっと意外ですが、洗いすぎて乾燥の原因になっている場合もあるとのことです。また、乾燥させる病気としてはアトピー性皮膚炎や、甲状腺機能低下症など。加齢ともかぶってきますが、皮脂が出なくなってカサカサになる老人性の湿疹などもあります。皮膚の乾燥で気をつけなければいけないのは、乾燥によって感染を起こすこと。皮膚は表面の潤いによってバリア機能を保っているため、乾燥すると感染を起こしやすくなります。乾燥すると指などの関節のあたりがぱっくり割れてしまうことがありますよね。割れたところからウイルスに感染するというケースが高齢者には多いそうです。

■ 喉の乾燥

◎ 喉の乾燥原因

喉の乾燥原因も皮膚とほぼ同じで、湿度、加齢、病気によるものが多いそうです。乾燥において湿度は重要な要素ですが、冬場になると、空気の通り道が多ければ多いほど乾燥します。そのため、口呼吸する人、イビキをかく人、発声練習をする人(シンガー)などは喉の空気を使うため、乾燥が激しいです。また、若い人よりも老人のほうが乾燥しやすいです。加齢により喉が乾燥するのは、唾液腺が弱って喉が保護できなくなるため。年をとったら口の中がネバネバするようになったという人もいるかもしれませんが、それは喉が乾燥しているサインです。

■ 喉の乾燥に効果的な対処法

喉の乾燥も肌の乾燥と同じく、ウイルスに感染しやすくなるそうです。イガイガしたり痰がからまるだけではなく本当に風邪をひく場合もあるので、対策はしておきたいですね。山田先生によると、以下の方法が効果的だそうです。

◎ のど飴をなめる

ただの飴だと侮るなかれ。のど飴をなめることで唾液腺が刺激され、唾液がたくさん出て喉を保護してくれます。またのど飴にはハッカがよく使われていますが、ハッカ自体にもうるおい効果があります。

重曹水でうがい

お掃除でもよく使われる重曹。水の中に入れてうがいをすると、口の中のネバネバがとれます。

◎ 酸っぱい食べ物で唾液腺を刺激

「基本的に酸っぱい系は有効」とのこと。唾液腺が刺激されることによってたくさん唾液が出て、喉を潤してくれます。レモン水や、水にお酢を加えたものなどでうがいをするといいそうです。グレープフルーツなどのすっぱい柑橘類を食べたり、梅干しをなめてみるのもいいかもしれません。

◎ 白ごま油を滴下したものでうがい

白ごま油とは、ごまを生のまま絞って出した油のこと。これを水に数滴滴下してうがいをすると、喉の痛みが楽になるそうです。

■ 自宅、出先での効果的な乾燥対策

体に不具合が出る前に、乾燥をさせないのが1番。特に難しいことはせずとも、

・マスク 
・濡れタオル

で十分だそうです。マスクは日中でも、寝ている間でも、自宅でも職場でも手軽につけて乾燥対策できるので便利です。濡れタオルは寝る時などに部屋に干しておくと、部屋の乾燥を防いでくれます。

◎ 乾燥対策、いつから始めればいい?

秋は乾燥対策の準備段階だそうです。11月頃からインフルエンザが流行るなど、ウイルスが活性化する時期でもあります。そういったウイルス対策も含めてうがい、手洗いをやっておくと保湿効果もあるのでいいそうです。また、温湿計を見て乾燥具合を見ておくといいかもしれません。基本的には湿度40~70%が目安。法的にもビルなどの湿度は40~70%と決められているようです。ただ山田先生によると70%はけっこう蒸し暑く、40%を切ると肌もパッツンパッツンになり明らかに乾燥しているそうです。「普通は45~55くらいが快適に暮らせる」のだとか。

■ 乾燥対策で毎日快適に!

乾燥するのは肌だけではありません。乾燥すると分泌物が出なくなり、肌、喉、またそれ以外にも目や口など色々なところに支障をきたします。しっかりと乾燥対策をして、快適な生活を送りたいものですね。