ライン効果

f:id:dream3631:20151205150639j:plain二重まぶたの呪縛にさよなら 「ライン効果」を活かしたアイメイク



 二重や目が大きいことが美人の条件とされているような中で、奥二重や一重のまぶたをいかにメイクすれば、美しいと自信を持てるようになるでしょうか? 二重風や、大きい目を目指すメイクばかりが特集されますが、独特の美しい表現があるはずだと思います。


 世の中には一重や奥二重の女性が多いのに、雑誌などに登場するのは二重まぶたの女性ばかり。四苦八苦している女性はどれだけ多いことでしょう……。生まれ持った個性を受け入れたら、みんなもっと魅力的になれるはず。なのに、美に対する固定観念と、「どんな顔にもなれるかも」という妄想で、きれいになれるはずの化粧が変なことになっているのです。まずはこの呪縛から逃れないことには、問題解決することができません。それは「二重願望」に限らず、メイク全般に言えること。解決の糸口として、まつ毛のお話しをさせていただきますね。

 短いことにコンプレックスを感じると、「長い、太い、目立つ=美しい」と信じてしまいます。その思いが強すぎておかしなことになってしまったのが、数年前に流行ったまつ毛エクステンション。エスカレートした長すぎまつ毛は、美しくないだけでなく自分のコンプレックスをさらけ出しているようで痛々しかったのを覚えています。外人の長いまつ毛が美しいのは、彫りの深い目元に合っているからなのです。

 一般的に彫りの浅い日本人女性の目元には、長く立体的なまつ毛はアンバランスで目立ちすぎることも……。じつは、少し短めのほうがさりげなくて美しいと僕は思います。マスカラも、長くすることだけを考え、まつ毛の先まで付けすぎるのは不自然。カールも上げ過ぎたら、まつ毛が目立って、びっくりしたような目になってしまいます。

 まつ毛は全体を均一に上げるのではなく、目尻に向かって上げていく感じにカールさせるようにしましょう。そのほうが日本女性の目の形をキレイに見せます。プロは欲しいところにカールを作るため、スプーンを使いますが、僕はその代わりにハーフサイズのビューラーを作っちゃいました。これだと目尻だけ自然に簡単に上げることができますよ。

 平面的な顔を美しく仕上げることのほうが大切です。日本人女性の二重まぶたは外人と比べると、なだらかで優しいカーブ。だから優しい目元の表情になるのが特徴です。陰影なんて強調しすぎないほうが魅力的なのに……。みなさんが入れるべきアイシャドーは、立体感を出すためではなく、目元にニュアンスカラーをつけていろんな雰囲気を作るため。アイラインの目的は、目の形を自然に整えて、ちょうどいい強さにするため。そう考えると、二重と一重は、まぶたに一本横線が入っているか入っていないかの違いだけ。無理して二重になる必要もないのです。

 大切なのは、目を開けた時にちょうどよいアイメイクの効果が生まれているかどうか。アイラインやシャドーが隠れてしまう人は、目を開けた時のアイフレームがまぶたのどの部分なのかをマークして、まつ毛とそこまでを「ライン効果の部分」と考えたらいいのです。その外側が、ニュアンスカラーを入れる部分になりますが、平坦なまぶたに自然なグラデーションをつけなくてはいけないので、チップではなくぼかし専用のブラシが向いています。ニュアンスカラーを太めに入れると目の表情は柔らかく、細めだとシャープで涼しげな目元になるので、それぞれに合ったぼかしブラシを見つけてくださいね。

 これで美しいアイメイクができるはず。いろんな一重や奥二重美人をリサーチするのもいいでしょう。美しい人は、誰かみたいになろうとしないで、その人らしさを大切にしているのがわかるはず。自分という素材を活かして、自分の雰囲気とマッチさせることが大切なのです。